テレビを観ていると、お笑い芸人と言われる人達を見ない日はありません。
テレビに出るのは(出演)=お笑い芸人?みたいな構図が今のテレビ業界なのです。
まあね、幼い頃からお笑い芸人を見て育った人達が番組制作をしている訳だから
それも仕方ないのでしょうか。
今日の「ザ・ノンフィクション」はお笑い芸人を目指して奮闘する一人の女性のお話です。
ドキュメントのあらすじ
27歳の「幸世(さちよ)」は、東京でお笑い芸人になる」と言って、
家を出たのは9年前でした。
舞台には立てるようになったものの、全くウケない。毎月のようにオーディションに挑戦しても受かる気配は全くなく
当然収入などほとんどありません。
実は彼女には中学生の頃から誰にも言えない秘密があったのです。
女性として生まれた幸世は中学生の頃に「自分は男性だ」と違和感を覚え始め、
家族や友人にも言えずに学生時代を過ごしてきました。
高校卒業後、幼い頃からの夢だったお笑い芸人になるために上京。
月1でホルモン注射を打ち続け、少しずつ顔つきが男性らしくなり、
声も低くなってきました。
男性として認めてくれないつらい経験を「笑い」にして伝えたいと、
幸世は自身の体験を元にネタ作りをしているが、
笑いは起きず、戸惑いの空気さえ流れる客席。
そして、自分を追い越して売れていく後輩芸人たちの姿に焦りが募る毎日。
幸世が生まれ育った静岡には両親と姉がいます。
上京後にカミングアウトされた両親は、幸世のことを理解しようと努めるものの、
今も複雑な気持ちを抱えている。
元漁師の父親は、58歳になった今も、寝る時間さえ惜しんで
水産加工工場など3つの仕事を掛け持ち、母親は占い師をして、
幸世のサポートを続けている。
だが、いつまでも親に援助を求める幸世に憤る父は、
芸人になった娘のネタを一度も見たことがない。
そして、父親の仕事場を訪れ自分の為に働く姿に驚く幸世・・・・。
どんな人が今回の主役なんだろうと思ってテレビ画面を観ていたら、
本当は27歳の女の子なのに、かなりイケメンの男の子?でした。
そう、今日の主人公は見た目も声も完全な男の子?だったのです。
余計のお世話ですが、お笑い芸人よりも役者を目指した方が良かったんじゃない?
って思うほどの何の違和感もない男の子です。
感想
彼女の舞台を観ていて気がついたのは、失礼だけど決して笑えないです。(ごめんなさい)話の内容が実体験なので、話がリアルすぎるのですよ。もすかして講演会みたいな場所で話した方がいいかも知れません。
これじゃ、客席が微妙な雰囲気になってしまいます。
本人がもう少し客観的に自分の姿に気がつけばいいのだろうけど、
事務所のアドバイスも抽象的な言い方なので、理解できないようだし、
これでは、ライブをやっても客は来ないし、オーディションも落ちる筈です。
誰も男性として認めてくれないつらい経験を「笑い」にして伝えたい」と、
思う気持ちを分からなくはないけど、やればやるほどまともすぎて笑うどころか怖いのですよ。
自分が面白いと思ってもお客が面白くなかったら単なる自己満足に過ぎません。
他人を笑せるのは並大抵な事ではないのです。
人を笑わせるには、その場の雰囲気と緻密な計算により作り出される、
笑いのテクニックがあるのですが、少しくらいの面白さではお客さんは絶対笑ってくれません。
お客を笑わせようと思えば思うほどお客は笑ってくれないのです。
きっと、彼女からまともさ(一生懸命さ)?が抜けると同時に笑いのツボ?が身につけば、
番組オーディションにも合格するだろうし、
ライブ会場のお客さんも増えるのではないかと思うのです。
番組の中で感動したのは自分の娘を思いやるお父さんの姿・・そっちか(^◇^;)
昼は木材の加工場?で働き、夕方になると別な仕事場で深夜働き、
工場の駐車場の車の中で仮眠をし、明け方木材の加工場に戻り
再び薪を作る作業に従事するのだそうです。
睡眠時間は1日1時間とか2時間・・・そんなにしてまで娘の為に働いているのです。
家に帰れば立派な一軒家に奥さんが待っているのに
家にも帰らず車の中で生活しているのです。
なぜ、そんなにまでしてお笑い芸人の娘をフォローするのだろう。
このお父さんの生きざまだけでドキュメント番組が1本作れそうです。
ただ、いつも書くように、番組が放送されればファンも増えるだろうし、
彼女に興味を持つ番組が出てくるかも知れません。
プロセスなんかどうでもいいから人気さえ出ればいいのです。
ライブ会場の客が増えれば興味を持った関係者が観にくるかも知れないし、
客が客を呼んでくれます。今回のテレビ出演はある意味ラッキーだったのです。
何がきっかけでドキュメントの取材を受ける事になったのか知りませんが、
これも、彼女の運なのかも知れません。
運も実力の一つです。やり方次第ではテレビのレギュラーだって夢ではありません。
頑張って!!
今回の番組制作は数々のドキュメント番組を世に送り出しているオルタスジャパンでした。
ネライなのかも知れませんが、本人に対しての変なツッコミもなかったし、
さすがと思ったのが、ドキュメント番組なのにカメラワークがとても良かったように感じます。
この辺がドキュメント番組を作り慣れている証しなのかも知れません。
そして、決して目立ちませんでしたが、松岡茉優さんの静かに語りかけるような
ナレーションがとても良かったです。
女優さんて声の出し方を知っているから聴いていて疲れません。
まるでドキュメント番組のナレーションのお手本のようでした。
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