会社を辞めて2年・・・・短かったような長かったような。
子供の頃はサラリーマンになんか絶対にならない。と、思っていたのだけど
大人の事情?でサラリーマンの世界へ足を踏み入れた。
でも、サラリーマンになればなったで、毎日が楽しかった。
時間の束縛はあるけど、給料日には決まって給料が振り込まれるから、
お金の心配はないし、土日は休めるしね。
ところが、自由な世界で生きてきた人間にとっては、
陰口の多さと人間関係には参りました。
でも、ノー天気な僕にとっては、陰口なんぞ別の世界の話しだと思っているから
何も感じないのですよ。
そんな人柄を気に入ってくれたオーナーには
随分可愛がってもらい、何度も飲みにも連れて行ってもらった。
新入社員なのに、「ちゃん」付けで呼ばれた(笑)
でも、どこから漏れるのか知らないけど、
オーナーと一緒に飲みに行った事が知れると、陰口が大変なのですよ。
まあ、そんな事はオーナーに話せば解決できる事なのだけど、
そんなセコイ気持ちは持ち合わせてないので、
陰口を叩かれても、意地悪をされても言われた通り「ハイハイ」と言えば、
相手は満足している。アホか?
不思議に思ったのは、
皆さん昇進を狙っているのは分かるけど、
そんなに上の人間にペコペコしないといけないのか?サラリーマンは?
オーナーは毛色の違った(髪の毛は黒いけど)僕の人間性に興味があったらしく
かなりの目標金額があるのに、仕事なんかしなくてもいいと言い出した。
その言い方に上手くの乗せられた馬鹿な僕は、
社内一の売り上げ目標を達成してしまった。
もう、そうなってくるとオーナからは褒め殺しの毎日ですよ。
でも、そのオーナーも翌年他界してしまったのです。
そうなってくると、昇進命?の数名は我先にとばかり新社長にすり寄って来る。
でも、新社長は僕の直属の上司だったのです。部長職から一気に社長の座へ
こんな事ってあるんですね。
すると、入社して2年もしない内にいきなり課長へ昇進、
係長職はパスか?翌年には次長へ・・・その年の年末には部長へ
いつの間にか部下が何十人にもなった。
でも、昇進命の人達からはいじめられた(笑)
先輩達より先に出世しちまったんだから仕方ないよ。
それと、目標数字にもいじめられた。
部下が数字を上げられなかったら、自分でやるしかないでしょう?
他部署には、部下に責任を押し付ける人もいたけど、それだけは出来なかった。
どこの会社にもダメな奴はいるのですよ。でも、同じチームの人間だし、
誰かフォローしなかったら、その人ずっとダメな奴で終わりでしょう?
社内での僕は放し飼い状態だったので、陰口はピークに達していた。
だって、僕の直属の上司は新社長だから、これも仕方ない。
「あいつは会社の経費で遊びまわっている」とか「ネクタイをしてこないとか」(笑)
そんな事どうでももいいじゃない?
きつかったのは、他部署の社員が
「○○さんは領収書で飲めるからお金使うでしょう」って、
お店の女の子に言いまわっていたのですよ。
あんた達、いつも一緒に飲んでる飲み仲間じゃない?(T_T)
もうそうなってくると信用できる人間なんていない。
これが放し飼いになっている人間の宿命か?
元々は新設された部署に配属されたのだから他の社員から
見れば、あいつは毎日何をしているんだ?って思うのは
当然なのだけど・・・きっと、ヘマするのを待ってるんだろうな。
今思うと、ガツガツしていないから客先からの印象は
よかったと思う。
買ってくれとか、契約してくれとか、言った記憶がないのですよ。
話すのは世間話ばかり、だって、人間関係が先でしょ?
「買ってくれ」って言われるのは個人的にも嫌いだから、
常に、相手からほしいという返事を待つだけ(笑)
ある日、ある会社の社長さんから「君を会社の役員にしてやるから」
と、言われたことがあります。
そう、引き抜きですよ。
毎日のように食事に連れて行ってくれたり、休日はゴルフに
連れて行ってくれたり・・・・。
ある日聞いたのですよ。報酬はいくらなのですか?って・・・・。
そうしたら、「君の貰っている給料の3倍は出すよ。」って・・・・。
今だって、そこそこいい給料をもらっているのに、今の3倍?ですか。
でも、その時は、大きなプロジェクトの仕事の途中だったので
返事は出来なかったのだけど、誘いに乗った方がよかったのかな?
僕には口コミで仕事を取るしか脳がないのですが、
幸運なことに次から次へ仕事が舞い込んできて、
とうとう念願のスタジオ建設の話しが・・・・。
都内某所に撮影スタジオとビデオの編集スタジオを建設するという
大プロジェクトです。
設計事務所の先生はスタジオ建設の仕事なんかやったことないって言うし
プロダクションの社長は君に任せると言うし・・・・。
仕方なく、スタジオ見学をしたり、放送機材の展示会へ行って
帰りに3人で銀座で飲んだり・・・。
それはそれで、楽しく仕事ができたのだけど、土地の評価価格が
低くて銀行からの融資額が足りなくて、会社の経理部長と銀行に
融資のお願いに行ったり・・・実業家になった気分だった(笑)
スタジオも無事に完成した頃、なんか、今の仕事に飽きたって言うか
余り意欲がなくなってきたのですよ。
毎朝決まった時間に会社へ行くのも飽きてきたし、
とにかく目標数字から逃げたかった。
数字のない世界で生活できたら、どんなに幸せだろうって、考え出したのですよ。
サラリーマンを辞めようかな・・・。
今の時代、何をしたって食っていけるしね。
周囲からは猛反対の嵐でした。
でも、やる気をなくして、嫌々仕事をやる人間は大っ嫌いだし、
いい結果は生まれないのは自分でもよく分かっているし。
と、言うことで、サラリーマンの世界から足を洗ったのですよ。
プータロー生活も結構楽しいです。
サラリーマンを辞めた(2)