今日の主人公は坂口杏里さん28歳です。

ご存知ですか?坂口杏里さん。そう、お母様は女優の坂口良子さんです。
僕が子役をやってた頃、車の運転がお好きな坂口さんは、ご自分の運転する車で
いつも撮影現場にこられていました。
ご挨拶に伺うと、「撮影頑張りましょうね」ってニコッと笑顔を投げかけてくれたのを
今でも覚えています。

57歳の時惜しくも大腸癌で他界されてしまったのですが、
病魔が襲いかかるのを知ってか知らずか娘の杏里さんを売り出そうと必死に
苦手なバラエティー番組に出たりして、母親らしさも覗かせる素敵な女優さんでした。

ところが、坂口良子さんが他界した途端、一人ぼっちになった杏里さんを
待ち構えていたのは心無い誹謗中傷の嵐でした。
「可愛くない」「母親に似てない」等々・・・・。
僕が知る限り、杏里さんの事を褒めた記事を目にしたことがありません。

坂口良子さんは亡くなる前に元プロゴルファーの方と再婚をしたのですが、
多感な年頃の杏里さんは新しい父親と上手く行くはずがありません。

一人ぼっちになった杏里さんはお金の使い方も分からず、ホストクラブ通いを覚え
母親の残してくれた遺産もあっという間に底をついてしまい、借金までしてしまい、
たった3万円を恐喝した罪で逮捕されてしまうのです。

ストリッパーになったり水商売をしたり アダルトビデオに出演したり、
身を削って生きて行く姿は壮絶なものでした。

今日の「ザ・ノンフィクション 」は、ある女性ディレクターが「坂口杏里」に
興味をもち、彼女と1対 1の取材をして、ナレーションまでも女性ディレクターが
担当するという、ドキュメンタリー番組の本骨頂を行くような内容でした。

「坂口杏里ストリッパーになる」こんな見出し記事から番組は始まり
カメラは彼女を追い始めます。

杏里さんが浅草にある「ロック座」というストリップ劇場で主役を務めるというのです。
踊りなんかやったこともないのに、ステージ上で裸で踊るというのです。

いくら素人とはいえ、客に観せるためには最低限度の踊りは絶対に必要です。
ステージショーは始まってしまえば途中で止めることもできないし、最後まで
段取り通りこなさなくてはならないのです。

ところが、踊りの振りは覚えられないし、踊りどころか、立ち位置さえ覚えられない。
衣装替えも段取り通りに行かないし、周囲のスタッフが一生懸命にやっても、
杏里さん本人が「素人なんだから出来るわけない」と言い出す始末。

結局公演は流れ、マスコミには「ANRIストリップドタキャン」「お騒がせ二世タレント」と
ボロクソに書かれてしまいますが、本人の意思とは真逆の報道だったそうです。

「私一言も降りるなんて言ってないのに」「全て私のせいみたいな」
「もう、何も信じられない」と悔しがる杏里さん。
どうして、こうも悪くばかり書かれるのか?

母親の坂口良子さんは杏里さんが3歳の時に離婚。
その後、父親の多額の借金返済のため坂口良子さんは働きづくめだったそうです。

母親が他界してからすっかり変わってしまった杏里さん。
母の残してくれた遺産も使い切り27歳の時には 1500 万円の借金を背負ってしまう。

借金返済のために出演したはずのアダルトビデオ出演のギャラも
好きなホストのためにシャンパンタワーやクリスタルボトルを入れたり、
誕生日には百万以上するプレゼントを贈ったりと、もう底なし・・・・。
挙句の果てに3万円恐喝容疑で逮捕・・・そして、芸能界引退。

水商売に入っても、「坂口杏里」が六本木の店で働けば指名客が増えるはずなのだけど
指名料金を聞いてお客はビビると言う。一体いくらなんだ?

ある夜、神戸に出稼ぎに行っている杏里さんからディレクターの元へ電話が入る。
泣きじゃくる電話から聞こえてくる恐ろしい事実・・・・。
ドライヤーのコードを首に巻きつけ、きつく締めたら口と鼻から血が溢れてきたと言うのです。
そう、彼女は自殺を図ったのです。

ディレクターの元へ送られてた遺書が画面いっぱいに映し出される。
「私は強い人間じゃないので、このようなことしかできませんでした」

きっと、寂しさから発作的にやってしまったのだろうけど、
さびしがり屋さんが1人ぼっちでいるとロクな事かんがえないですね。

そんな事があり1ヶ月経った頃、ディレクターの福田真奈さんは杏里との距離が
縮まったような気がすると言う。

きっと、杏里さんもちゃんと話を聞いてくれる人がほしかったのかも知れない。

そうじゃなかったら、自殺未遂の電話なんかしませんよね。

杏里さんは密かに芸能界復帰を狙っているようなのですが、
それをバックアップしてくれる人は誰もいません。
トークイベントの出演を誘われても「坂口杏里」が出るなら会場を提供しないとまで
言う人がるのです。

坂口杏里は何か悪い事でもしましたか?
なぜ、そこまでいじめるのですか?

もう、芸能界復帰どころか居場所さえありません。

でも、 杏里さんはどうやって生活しているのでしょう。
番組でははっきり表現してないのだけど、もしかして、出張型の風俗?をやってる?
の?ですか?。デリヘル? 
生きるためには仕方ないのでしょうか・・・・・。

2019年1月。新しい年になりました。
杏里さんの年越しは「どん兵衛」を食べていたと言う。

でも、芸能界復帰を諦めていませんでした。
新しいバンドを結成したのです。
でも、マスコミからは、「杏里、ホストバンド結成」と見出しが・・・・。
バックバンドの人達がイケメン揃いなのです。
「どこでもいいから1社くらいは坂口杏里のことをよく書いてくれよ」って
言いたくなります。

これだけマスコミから叩かれる人も珍しいです。
何の力もない今は、ただのいじめられっ子にしか見えません。

そんなある日、母の墓前で静かに語りかける坂口杏里

「この6年ほんと色んな事あったけど、ママにね、喜ぶ姿を見せれたら
いいなって思っているし、それは、今年だけじゃなくて、これから先ずっとね。

一生懸命這いつくばって頑張って行きたいって思ってるから、
それを見ててください。

やっぱり、ふとした時にママの所に行きたいなとか思うんだよね。

でも、私は私でこれからママがやり残した事もやっていくし、
ママは私のために一生懸命慣れないバラエティーも出てくれて、
すごい嬉しくて一生懸命頑張るからみててください。

まだいないけど、孫の姿を見せれなかったって言うのは残念。

ほんと産んでくれてありがとうございます。ありがとう。
頑張るね。絶対成功するから。絶対成功させるから。

ここいると離れたくなくなるんだよ。

私は一人じゃないし、ママも一人じゃないんだよ。
私、本当にもっと頑張るから・・・・・・バイバイ」

ここのくだりは本当に泣けます。

そして、また、ナレーションがいいのですよ。

おそらく、ナレーションを担当している福田真奈ディレクターはナレ録りの時、
途中で声を詰まらせて、録り直しを何度かしたのではありませんか?
だって、墓前の前で母親に向かって淡々と語り続ける杏里さんの映像を見ながら
ナレーション入れをしていたら、普通に喋れって言われても無理ですよ。

坂口杏里28歳。自分のやる事全てにケチをつけられ、
生きる事させも投げ出そうとした時期を乗り越え、生きようとしている彼女には
もう、怖いもの無しです。

ネット記事をはじめとするマスコミ各社は坂口杏里を目の敵のようにいじめているけど
彼女は皆さんが書くほど悪いイメージの人ではないような気がするのです。

きっと、素の坂口杏里は普通の女の子なのではありませんか?
だって、彼女の母親は、まだ子供だった僕に優しい笑顔で微笑んでくれた
坂口良子なんだもの・・・・・。

坂口良子の血を引いているんだもの。

今は全て裏目に出ているけど、何か一つでも成功して人気が出てくれば
きっと、マスコミだって手のひらを返したように絶賛するに違いありません。

それが、日本のマスコミだし、マスコミの言ってる事を信じるのが日本人だものね。

人間生きていれば嫌な事ばかりじゃなくいい事も必ずあります。

苦汁を舐めてばかりで、人を信じるのは難しいだろうけど、
世の中悪い人ばかりじゃないし、応援してくれる人もいる筈です。
そして、マスコミの中にも絶対坂口杏里ファンがいる筈です。

マスコミから絶賛されるような日が来ることを祈っています。
大丈夫ですよ。落ちる所まで落ちたのだから、後は上がるだけですから。


そうそう、もしかして、この番組を担当したディレクターさん。
番組を観た視聴者から坂口杏里さんが批判されたら、
共死にするつもりで作っていませんでしたか?

演出の気持ちが伝わるいい作品でした。
それと、ナレーションが最高でした。

福田真奈ディレクター、 次回作を楽しみにしています。