20151205122553


アシスタントと仕事の打ち合わせを済ませM子の会社に行くと、
いつもなら「おはようございます」、会釈する人が
「副社長おはようございます」と深々とお辞儀をされた。
皆、僕が辞めさせようとしている 古株役員にぶら下がっている人達で、
僕とM子社長の事を「あんな若い2人に何ができるんだ?」
「この会社も終わりか?」って、散々陰口を叩いていた人達なのです。

きっと、昨日のうちに会長から役員に僕の話が伝えられ
役員からそのままぶら下がり社員に話が伝わったんだろう。
自分達の身の危険を感じるとそんなに自分を変えられるのか?
カメレオンみたいな人達だね(笑)

社長室に顔を出すと、M子社長が「昨日はお疲れ様でした」
「家に帰ったら父が『お前の相棒は本当にいい男だな』って褒めてたわよ」
「あなたのこと相棒だってよ、笑っちゃったわ」
「そうなの?僕には『君とM子はいいコンビだな』って言ってたけど」
「ええっ?コンビなの?アハハハハ〜」笑い転げるM子

午後から会議室に各部署の管理職が呼ばれ、
役員の交代と管理職の選考を今月中にやる事がM子社長から発表された。
突然の発表にニンマリする顔と青ざめる顔の管理職達。

自分で言い出した事とは言え、まさか、2ヶ月も前倒しでやるなんて思わなかった。
ここでヘマをしたら会長とM子社長の顔に泥を塗ることになるから絶対失敗は許されない。
役員人事は会長と総務部長とお願いしようと思っていたのだが、
M子社長が「私がやるから手伝って」とやたら強気なのです。
役員に女性の登用も考えているらしい。

僕の所にコソコソ言い寄ってくる社員や
自分をアピールしようとする社員や、昨日まで目も合わせなかったような人が
ニコニコしながら廊下をすれ違っていく。普段からそうしてればいいのにね。

ただ、仕事ばかり出来ても、部下の面倒をみられる人じゃないと
管理職にはなれないと思うのですよ。この会社はそれが欠けていたのです。
部下の指導も出来ないのに、偉そうに踏ん反り返っているような人は
ヒラ社員からやり直してもらいます。

だから、あえて個人面談をする事にしたのです。人って話してみないと
本当の気持ちは分からないですものね。

 総務部長が、「とうとうやりましたね。最初お会いしたとき、
この人は何かやるだろうとは思っていましたが、まさか正月の仕事始めにやるとは
夢にも思いませんでした」と、笑っていた。
「私たちはお二人を陰で支える事しかできませんが、
部署全員で応援していますから思う存分人事改革をやってください」と、
中立の立場の総務部長から励まされて、M子社長も嬉しそうな顔をしていた。

明日から人事選考に入るつもりだけど、
なんかオーディションやるみたい(笑)