「私に何か隠し事してるでしょう?」
M子から怒りの電話がかかってきた。
「私に一言言ってくれてもいいんじゃない?」
「M子、何のことだよ。」
「ごまかさないでちゃんと答えて!」
M子が怒りだすと、収まるのに時間がかかるんだよな(笑)
実は、昨夜、M子の父親から新宿のホテルのラウンジに呼び出されたのですよ。
その事がM子の耳に入ってしまったらしいのです。
M子に内緒で会った事が面白くないらしい。嫉妬か?(笑)
KホテルのラウンジにM子の父親が待っていた。
「この前はわざわざ家に来てくれてありがとう。久しぶりに楽しい時間を過ごせたよ」
「こちらこそ、昼食までご馳走になりありがとうございました。」
「ところで、今日来てもらったのは、君に頼みたい事があるんだ。」
「えっ?私が何か?」
「そうじゃないんだ、君が忙しいのは分かっているんだが、
君に仕事を手伝ってもらいたいんだよ」
「えっ、私にですか?」
「この事は娘には内緒にしてほしいんだが、近い内にM子を社長にしようと
思っているんだ。」
「だが、娘はまだ若いし、社長をやらせるには荷が重すぎるから、
娘をフォローしてほしいんだよ。」
「ずっと、適任者を探していたんだが、君が家に来て話しをしている内に
M子をフォローできるのは君しかいないって確信したんだよ」
「君は前の会社にいた時も、相当な実績を上げていたと娘から聞いているし、
君の言う事なら娘も素直に聞くと思うんだよ。」
「いや、そんな大事なことを急に言われましても、自分の仕事もありますし」
「君も仕事が軌道に乗り、大変な時期なのは私も十分理解しているつもりだよ」
「無理を承知でお願いしているんだ。少し考えてくれないか?」
「週に何度か会社に顔を出してくれれば、それでいいんだよ。」
「娘も君の顔を見れば安心するだろうし、
君にはそれなりのポストを用意させてもらうつもりだ。
何とか娘を助けてくれないだろうか?」
突然の話しに・・・ちょっと動揺した・・・M子が社長になるのは予想していたけど、
僕が巻き込まれる?とは・・・・この展開は予想できなかった。
で、M子の怒りは依然として収まらない。
「なんで、父と会った事を隠すの?」
「いや、隠してなんかないよ」
「嘘!父と会ったでしょう?」
「○○さん、M子とお付き合いしているんですよね?」
「私の父と付き合っている訳じゃないですよね?」
「私が邪魔なんですか?!!」
もう、M子の怒りがおさまらない(T . T)
しばらくして、泣き虫M子がメソメソ泣き出した。
「こんなに、怒る私が嫌いになったでしょう?」
「もう、会ってくれないですよね。終わりですよね。」
「大丈夫だよ。M子の気が済めばそれでいいんだよ。」
「だって・・・・・。」
「悪かった。黙っていて。お父さんから口止めされていたんだよ。」
「やっぱり。父のやりそうな事だわ」
「ごめんなさい怒って。だって、○○さんが、お父さんに取られそうで嫌なの」
M子の父親と僕が会った事はM子の母親から聞いたらしいです。
子供が玩具を取り上げられたみたいに怒っていたけど、
それだけ大事に思われてるって事なの?僕(^◇^;)
口止めされていたから話の内容までは話さなかったけど
M子は勘のいい人だから、きっと話の内容を察しているんだろうな。
話しを断るわけにもいかないし・・・・・新たな悩み事がまた一つ増えた。
アシスタントには何て言えばいかな・・・・。
「お好きなようになさればよろしいのでは」な〜んて言われるんだろうな(笑)
どうすればいい?自分。
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